管網解析プラグインについて
管網解析は配水管ネットワークのシミュレーション機能です。
- ■施設の運用計画や災害時のシミュレーション
- ■管路施設の状況をより正確に把握
- ■シミュレーション結果をGIS上で確認 等
配水管路網の現状把握、水圧過不足等に対する増設設置、 配水管路網の新設などをシミュレーションによって合理的に検討することが考えられます。 今後も、水道GISを構築する際の機能としてさらに利用が高まっています。
主な特徴・機能
1管網解析プラグインについて
管網解析プラグインは、
TCLEXGAU Web上水道管理システム「GAUWA」(powerd by TCLEXGAU)
にプラグインするコンポーネントです。
プラグインとして機能しますので、TCLEXGAUの任意の色分け図作成や集計等の
豊富な基本機能が管網モデルにも活用することが可能です。
主な特徴
モデル作成から評価まで、主な特徴として以下のものが挙げられます。
- データ → 台帳データから管網解析モデルを自動作成
- 解析 → 水理計算における条件設定が容易
- 評価 → 計算結果をGIS上に展開(色分け表示等)
管網解析プラグインは、解析手法としてエネルギー位法を採用しています。 流量法と異なり、仮定流量の設定や閉回路等のデータが必要なく、多入力 管網の計算が行えます。 また、複数の配水地を持つ管路網の解析も可能です。 ポンプ、減圧弁を設置した解析も可能です。 解析モデルの管路・節点に制限数は設定されていません。 上水道台帳データが整備されている場合は、解析モデルを自動抽出する機能がサポートされています。 解析結果を任意の色分けやマーキングを用い画面上のモデルデータに展開を行ったり、 計算書の形で取得することが可能です。
流量法 | → | 仮定流量に対する流量補正値を仮定流量に加え、閉管路ごとにこの補正を繰り返す解析手法 |
エネルギー位法 | → | 仮定節点エネルギー位で表される節点流量が許容誤差に収まるまで補正を繰り返す解析手法 |
2解析モデルについて
管網モデルとは、管網計算で用いられる計算要素を管路のトポロジより関連付けた 仮想空間の論理データのことです。GISにおいては、論理データであるプロパティ値 によりこれを表現しています。本管網解析機能は、モデルデータを抽象的表現したものであり、 管路網を水理学的な観点から把握することを補助するものです。
補足 管路はネットワークを抽象化しものであり、節点は、水圧等の観測位置を示します。
3モデルの作成について
解析モデルの作成方法には、上水道台帳データからの抽出・ オペレーションによる作図などがあります。
A.台帳データからの解析モデル自動抽出
上水道台帳データが整備されている場合は、自動抽出する機能により解析モデル作成することが可能です。 管路のネットワークを抽象化し作成します。配水系統、給水区域で解析範囲を指定する事も可能です。 また、台帳のデータを利用しますので、管網計算用に付加しておくデータは特にありません。
B.モデル作図・編集
作図機能もありますので、新設シミュレーション等にも活用できます。 管路や節点の作図機能のほかに、T字接合や極小管路、同一条件管路を検索したり、 自動分割・結合する機能もあり、モデルの合理化をサポートするツールもあります。
4給水量について
管網計算を行う際に、使用水量の算出が必要となります。この使用水量を算出するために、 水道管路のネットワーク情報を追跡し、各管路の取出し水量(使用者の使用水量)を集計する 機能を提供しています。各節点に任意に関連づけすることも行えます。 台帳データより、モデルを自動抽出した場合に実行可能です。 この機能は、モデルの合理化を行った後にも使用できます。また、台帳データに使用者の 使用水量が入力されていない場合は、平均仮定水量を投入し、使用者数で仮定値を算出することも可能です。
使用者のデータやネットワークの関連情報が整備されていない場合には、TCLEXGAU のプロパティインポートや各種プロパティウィンドウを利用した使用水量の算出を支援する機能があります。
5計算条件について
各管路に計算式や係数、各節点には係数を個別に設定することができますが、 検索条件により、一括編集することも可能です。 各管路の計算式には、HazenWilliams式や高桑式等が設定でき、 管種、口径、経過年の指定による各種水理計算の係数設定が行えます。
6水理計算について
水理計算の実行時に解析モデルのデータ検証機能があり、実行条件の不備を容易に検索することができます。 また、計算結果は各モデルに反映され、保存することも可能なので計算パラメータを変更して、シミュレートが行えます。 例えば、水温の変更や消火時の計算オプションもあります。計算終了後、最大誤差箇所や 計算回数等のレポートが表示されます。 また、その結果から従来は計算書等の書類で扱われていた各種レポートも効率良く作成可能です。
7部分計算について
指定モデルから範囲を限定して、水理計算を行うことができます。 部分的に使用水量を変更したり、小規模なモデル変更を行った際に 容易に変化の確認が行えます。 厳密な計算結果が必要な場合は、全体の計算が必要ですが、 小規模でおよその変化を求める場合には効果的です。 特にモデル数が多い配水池からネットワークを計算する時間の 節約にもなります。
8計算結果について
水理計算の結果の表示切替を行う機能があります。
計算結果から算出される管路の流水方向を画面で確認が行えます。
画面上の注記表示を編集・変更する
計算結果は各モデルに反映されますので、TCLEXGAU の基本機能を活用した
任意の色分け図の作成によりGIS上に展開された結果を画面で確認することが出来ます。
また、節点の大きさや管路の線幅等の表示スタイルをダイナミックに変更することもでき、
広範囲でのモデル確認や印刷時の表示調整などに使用します。
計算結果表示例
例1 流速方向 | 例2 流速の色分け | 例3 水圧の色分け |
9残留塩素濃度シミュレーション
残留塩素濃度および到達時間は、任意の初期塩素濃度や水温を設定することで水理計算の結果から求められます。 水理計算の実行時に評価され、各モデルに反映された計算結果とともに確認することが出来ます。 色分け図等と組み合わせて利用することで、水理計算結果の活用がさらに広がります。
10遮断機能について
一時的に管路や節点を遮断し、シミュレートを行うことができます。 任意に指定した管路モデルの表示を変更(遮断表示)し、 「計算実行」時に遮断した状態で、水理計算を行います。
11計算結果の比較
他の解析結果を並べて表示し、色分けやレポートなどで比較する機能です。 あらかじめ解析を行ったモデル(保存したマップファイル)と 画面を分割し、それぞれのデータを表示します。 また、圧力や流量、流水方向に差のあるモデルをレポート(一覧出力) する比較機能もあります。
12その他の機能について
解析の用途、目的により、画面に表示されている解析モデルの注記内容やレイアウトの変更を行う事があります。 注記内容の変更は、ウィザード形式で表記する項目、順序、サイズや色等を指定する機能を提供しています。
13ドキュメントについて
管網解析を行うための手順・操作のドキュメント(マニュアル)をHTML形式で作成しています。 管網解析ダイアログの「その他」タブに構成されている「ヘルプ」から 容易に参照することができます。
ご注意
■価格は、オープン価格につき、こちらまでお問い合わせください。
■本製品をお使いになるためには、
フリーソフトネット社製Web上水道管理システムが必要です。